塾、習い事について塾講師の私が思うこと。
私は毎日ニュースやサイトをまわっているのですが、一際目立つ記事がありました。内容は、子どもの習い事に関する親向けの記事。
私はまだ親ではないので、親の立場になって考えることが出来ません。しかし、一人の講師として、塾に通っているときの子どもの状態は親よりも把握しています。
塾や習い事は多いほうがいいのでしょうか。子どもが辛くても、将来のために我慢させるべきなのでしょうか。
親と子の大きな壁
親と子には、そもそも考え方の壁があった。
私の塾では次年度に向けての三者面談が最近多くなっています。
大体多くの人に共通しているのが、親は目を輝かせ、子どもは下を向きうつむいている光景です。そもそも塾というところは子どもが好んでくるところではありませんが、好んでいない子どもの中でもタイプが二つに分かれるのです。
塾を全否定する生徒と、意欲がある生徒
授業をしていて「あ~この生徒は心から塾を嫌っているな」という生徒と、「この生徒は成績を伸ばしたいんだな~」という生徒のタイプがあることに気付いたのです。
前者の生徒は先生との会話の内容がまったく授業とは関係のないプライベートの内容だったりします。後者の生徒は、成績が落ちて凹んだとか、いい点数とれたよ!と自慢げに話していたりします。
どちらの生徒が伸びるのかというと、もちろん後者の生徒です。
子どもの状況を把握できていない保護者
先日、ある生徒から「私は夜遅くまで勉強しているのに、親は寝ているから理解してくれない。毎日勉強しろとうるさいからもうイヤだ」と相談を受けました。
このように子どもの状況を把握できていないのに、頭ごなしに「勉強しろ」という保護者が多くいます。これでは、子どものモチベーションも下がります。
何故なら、自分が勉強している横で親はスヤスヤ寝てるのですから。私も以前はそうでした。
「なんで俺は昼間学校に行き、夜遅くまで勉強してるのに親は家に帰ってきたらテレビ見てんだよ!納得いかねえ!」って思っていたものです。「働くことは大変なんだ」と理解した今はそう思いませんが、働いたことの無い子どもに「大人は大変なんだぞ」って言ったところで理解してくれません。
「勉強しろ」という親の子ほど、勉強しない。
塾に嫌々通っているような生徒の保護者は、「勉強しろ!」と毎日言っていたりします。逆に成績が伸びる生徒の保護者は意外と「勉強しろ」とかではなく「好きなことやれば?」と放任的だったりします。
勉強はしなければいけないのは、子どもも薄々気付いているはずです。
そこで「勉強しろ」といわれれば「今やろうと思ってたところだ!」と子どもは返事をします。するとすかさず「勉強してないから言ってるんでしょうが!」と親は叱ります。よくありますよね、この光景。
心から子どもを信頼しきっていない保護者が多いように思います。逆に信頼されていないことを感じた子どもは、親のいう事を聞かなくなります。
勉強は嫌々させるものではない。
塾がイヤならやめればいい。
子どもが塾に行くことで、自分が本当にしたいことを犠牲にしているような場合は絶対に塾はやめたほうがいいです。子どもの知的好奇心より勉強することは大切だと私は考えていないからです。
子ども自らの選択を。
小中学生のときは、「勉強しなさい」と言われますが、大学選択、就職の際は自ら選択しなければいけません。しかし、どの時期で子どもに自ら選択させるのか、というのは子どもによって違うので、非常に難しい問題であります。
例えば私の場合、中学校時代にパソコンに夢中になり、タイピングの速度が速くならなければ今私はブログを書いていません。このように中学生のときにしていたことは意外にも将来に直結したりするので、子どもの興味があるもの、好きなことを優先させることが必要だと私は思います。